第6回Wings ひとくちコラム

臨床試験への患者参画元年

2017年6月10日、JRPS代議員会に先立って東京大学医科学研究所の武藤香織先生による特別講演「患者にとっての臨床試験の意味を問い直そう」がありました。個々の患者が被験者として臨床試験に参加するときの心構えをまず話された後、今年は患者の臨床試験参画の元年であり、臨床試験のあり方に患者の立場からものを言うことが強く求められていると強調されました。
じつは日本以外の多くの国では患者の意見を聞かなければならないというルールがあります。臨床試験のデザイン、試験を始める際の説明文書の中身、試験終了後の結果報告、とにかくいろんな段階、場面で患者に意見を聞くというのが、欧州やアメリカでのルールです。日本でも医学研究費の配分を統括している日本医療研究開発機構(AMED)の音頭で患者市民参画委員会ができ、今年の夏から検討が始まります。具体的には、患者から見て望ましい臨床試験のやり方、あるいは意見の言い方、結果がどういう形で還元されるのかなど、1年間かけて検討されます。そして研究費の配分の際、研究者は患者の意見を聞いたかどうかが問われるようになるかもしれません。われわれもこれにどう答えていくかが問われています。

※特別講演録音データ希望会員は本部事務局までご連絡ください。

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