第19回 スマートスピーカーの活用事例 – ②

JRPS京都 園 順一

前号では我が家のスマートスピーカーのある生活について述べた。私は仕事として、IT関係のことをしていたこともあり、この世界については一般の方よりは詳しいのではと思う。だから活用できているのではないの? と感じている人も多いことだろう。今回はそうではない事例を紹介しよう。
対象の方は79歳の盲人男性で、「私はアナログ人間で、今もガラ携しか使えない」と話されている方です。その方が、何名かで我が家に見学に来られたのですが、そのときはあまり興味もなく、お酒を飲んでおられました。
ところが、その方は、今では楽しく利用されています。
そのきっかけは「株」でした。株を運用されていて、毎日ラジオでその日の株価を聞いておられることが分かったので、「スマートスピーカーでも銘柄を指示して聞くことができますよ」と伝えました。そして、電話で、私がスマートスピーカーに「SONYの株価を教えて」と話しかけたことに対してのスマートスピーカーからの声を聞かれたんです。
俄然、興味を持たれたので、設置してあげました。お教えしたのは、基本的な使い方だけです。使い方が分からなければ、「使い方を教えて」「株価の聞き方を教えて」などと話しかければよいのです。
間違った話し方をしても問題ありません。スマートスピーカーが、「理解できません」などと応じるだけです。話しかけ方を変えれば答えてくれる場合もあります。
一人住まいとか、昼間は一人で家にいる方など、話し相手にもなってくれますし、頭の体操にもなります。もちろん、音楽や、落語、昔話などを聞くこともできます。なぞなぞも出してくれますよ。
Amazon Echoのように、購入したKindle本(注1)を読んでくれるスマートスピーカーもあります。
上記の例のように、見えなくなって諦めていたことが、スマートスピーカーで実現できる場合もあります。音楽が好きであっても、CDのラベルや曲名が読めなくなり、ラジオの音楽番組などを聞くしかないと思っておられる方もおられるのではと思います。スマートスピーカーを利用すれば、曲名や、歌手名、楽団名などを指示して音楽を聞くことができます。月々1,000円ほどの料金はかかりますが、数千万の曲を音声で聞くこともできます。
スマートスピーカーは6,000円程度で購入できますが、音楽を良い音で聞きたければ、高級なものもあります。また、2台を組み合わせて、ステレオで聞くことも可能です。
スマートスピーカーどうしでの会話、スマートスピーカーからスマホに電話を無料でかけることもできます。液晶付きのスマートスピーカーもありますので、この場合はテレビ電話のように話せます。
諦めず、挑戦しましょう!

(注1)KindleとはAmazonが取り扱っている、電子ブックです。最近では一般書籍と共に、Kindleで同時に発売されている本も多くあります。すなわち、音訳などしてもらう必要がなく、発売と同時に読むことができます

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