堀田 喜裕先生(浜松医科大学眼科)
遺伝子解析の進捗により網膜色素変性症の原因遺伝子が80くらい分かってきた。
遺伝子診断を受けることのメリットとして、遺伝子を見ると予後がある程度分かる。
遺伝相談、遺伝子治療、疾患メカニズムを知ることで、治療法の開発に役立つ。
同じ遺伝子でも塩基配列は人によって異なり、その変化の型をバリアントという。そのうち、疾患の原因となる変化の型を病的バリアントという。
EYSが原因の網膜色素変性症の多くの場合は、50才くらいまで仕事ができる方が多い。RPGRが原因の場合は比較的早く失明する。将来的には遺伝子別の、と言うより病的バリアント別の予後情報が言えるようになればよい。
治療についても個々の遺伝子に対して国内外で治験・臨床試験が始まっている。一方、デメリットもあることから、熟慮のうえ、検査を受けるかどうかの判断を検討していただきたい。
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