1.「遺伝性網脈絡膜疾患の正確な診断」

角田 和繁先生(東京医療センター視覚研究部)

網脈絡膜ジストロフィの正確な診断のために、まず遺伝性疾患なのかそうでないかの診断をすることが重要である。

①詳細な問診(初発症状、発症時期、家族歴、服薬状況、病歴等を丁寧に聞き取る網脈絡膜ジストロフィの基本的な特徴は、「両眼性に」「ゆっくりと」進行することであり、炎症性疾患や感染症で見られるような急性の変化や、片眼のみの発症、光視症の出現等は通常は見られない。また、網膜色素変性における夜盲や視野狭窄、あるいは黄斑ジストロフィにおける羞明(まぶしさ)や中心付近の見えにくさなど、それぞれの疾患に特徴的な進行パターンが存在する。

②自覚的検査(視力、視野、色覚等)

③網膜イメージング(眼底写真、光干渉断層計(OCT)、眼底自発蛍光等)の進化。
この10年間でOCTの進化により網膜の10層の状態がよく分かるようになり、病気の進行状態、将来の予測もできるようになった。
眼底自発蛍光撮影の進化により、眼底写真では分からなかった網膜の状態の確認ができる。病気の種類、遺伝子の種類によっても特徴的な所見がある。また、遺伝性疾患かそうでないかも判別が可能となってきた。
さまざまな眼底写真を比べながら説明していただいた。

 ⇒ 2.「網脈絡膜変性疾患の遺伝子診断」

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