第29回 再生医療の現状と課題

報告 令和3年度AMED再生・細胞医療・遺伝子治療公開シンポジウム

2022年2月1日に開催された標記シンポジウムを聴講しました。内容の一部を報告します。

A:全体としてどのような発表がありましたか?
B:今回眼科領域の講演はありませんでしたが、せき髄損傷や癌領域での再生医療、遺伝子治療の進捗を実感しました。

A:患者として特に注目した発表は?
B:山中伸弥 京都大学iPS細胞研究所所長が「iPS細胞技術を良心的な価格で一人でも多くの患者さんに届くよう頑張りたい」と講演を結ばれたことが印象的でした。

A:具体的な方策は?
B:欧米で実用化された遺伝子治療はどれも数千万円の費用がかかります。こうした超高額医療を避けるために2つの目標を掲げられました。1つは、技術革新で数年以内に患者本人のiPS細胞を100万円で作製可能にします。マイiPSプロジェクトといいます。また企業への橋渡しを公益財団が担うことで、数百万円でiPS細胞移植治療を可能にします。

A:保険適用も夢でなくなりますね。他に注目した講演は?
B:岡野栄之 日本再生医療学会理事長が再生医療安全性確保法の見直しに言及しました。

A:どんな背景があるのですか?
B:研究として行われる再生医療の進展とともに、クリニックで自由診療として実施される再生医療の問題が指摘されています。2010年に発生した脂肪幹細胞移植治療の死亡事故がきっかけとなり、再生医療安全性確保法が2014年に施工されました。ただ有効性の担保等、医学的に未確立な医療行為に対する規制としては十分でないことが分かってきました。

A:私たち患者に求められることは?
B:安全性に加えて、過剰な期待を防ぐための方策がこれから議論されるでしょう。いずれにしても、患者は主治医の説明を充分聞いて、自分が受けようとする医療行為の内容をしっかり理解することが望まれます。

※なお、山中伸弥教授は、2022年3月をもってiPS研究所所長を退任されました。退任にあたって、今後は、50%を研究に注力し、残りの50%は、iPS細胞研究財団の理事長として活動を継続したいと述べられました。
【参考URL】https://www.yomiuri.co.jp/science/20220323-OYT1T50133/

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あぁるぴぃ157号 目次

 目次

JRPSだより                                                                           3

JRPS静岡復活の準備会発足!
                                                  3

電話相談のご案内
                                                                  3

網膜色素変性症フォーラムのご紹介
                                          5

ミドル部会設立及びイベントのご案内
                                       6

「世界網膜の日in山陰」開催要項                                              8
開催日時と場所                                                                      8
プログラム                                                                            8
併設イベント                                                                          9
会場への交通アクセス                                                               9
前夜祭の懇親会費と24日の昼食弁当について                               10
参加の申込み方法と申込み先                                                    10
参考情報(観光と宿泊)を一部紹介                                          11

研究推進委員会(Wings)通信                                              12
第29回 再生医療の現状と課題                                               12

QOL向上推進委員会(QOLC)通信                                         13
第18回 スマートスピーカーのある生活(園 順一)                 13

働く世代イベント参加者の声                                                  14
働く世代イベントに参加して(森 研紀)                                 14
働く世代イベントに参加して(定光 淳)                                 15
「働く世代イベント」に参加させていただいて(岡沼 友子)      15
あぁるぴぃ広場 ~会員からの投稿~                                     16
未来に向けて考えること(北海道 小山内 大輔)                      16
医療従事職として働き続けていくために(東京都 菅谷 久美子) 16
iPhoneとの共同生活(富山県 岩城 明日香)                           17
努力によって得られた充実感(京都府 吉岡 市次郎)                18
映画「燃えよ剣」でエキストラを体験(岡山県 末安 章雄)         18

都道府県JRPS活動予定                                                           19
北海道 …… 19 / 山形県…… 19 / 宮城県…… 20 / 福島県…… 20 /
栃木県…… 20 / 埼玉県…… 21 / 千葉県 …… 21 / 東京都…… 21 /
神奈川県… 21 / 新潟県…… 22 / 福井県…… 22 / 岐阜県…… 22 /
愛知 県……22 / 三重県…… 23 / 滋賀県…… 23 / 京都府…… 23 /
奈良県…… 24 / 大阪府…… 24 / 和歌山県… 24 / 兵庫県…… 24/
岡山県…… 25 / 広島県…… 25 / 香川県…… 26 / 徳島県…… 26 /
愛媛県…… 26 / 福岡県…… 27 / 大分県…… 27 / 熊本県…… 27 /
宮崎県…… 27 / 鹿児島県… 28/
専門部会の活動予定                                                                28
ユース部会…                                                                          28

編集局より                                                                             29
広告ページ                                                                              29
編集後記                                                                                 32

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第16回JRPS網脈絡膜変性フォーラム のご報告

会員の皆様へのお知らせ

第16回JRPS網脈絡膜変性フォーラム は、盛会のもと、無事に終了しました。
当日視聴できなかったJRPS会員の皆様は、開催日の動画をJRPSの公式WEB中の会員頁にてご視聴できます。
なお、会員頁にログインするためのパスワードは、それぞれの地域協会長様にお尋ねください。

 

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第16回JRPS網脈絡膜変性フォーラム 動画

網膜色素変性症に対する治療法の確立を目指して、いくつかの治療法が基礎研究から臨床応用へと発展しつつあります。その一つが遺伝子治療で、Leber先天黒内障では一定の治療効果が得られています。今回は、遺伝子という観点から網膜色素変性症を捉え、その病態と治療を考えてみたいと思います。網膜色素変性症の遺伝子に関する研究で、第一線で活躍されている先生方に講演していただきました。また、コロナ感染予防のためにオンラインでの開催といたしました。

山本 修一(JRPS副理事長・独立行政法人地域医療機能推進機構本部)

【日時】2022年3月27日(日)午前10時~12時05分

プログラム

長澤源一JRPS理事長 開会挨拶

町田繁樹先生(オーガナイザー①)によるフォーラム概要説明および講演者(國吉先生)紹介

【講演1】國吉 一樹 先生(近畿大学)「網膜変性疾患の表現型と遺伝」

町田繁樹先生(オーガナイザー①)による講演者(林先生)紹介

【講演2】林 孝彰 先生(東京慈恵会医科大学)「網膜変性疾患の遺伝子検査」

近藤峰生先生(オーガナイザー②)による講演者③(藤波先生)紹介

【講演3】藤波 芳 先生(東京医療センター)「遺伝子治療の臨床応用」

講演者相互間のQ&Aとコメント

伊藤節代フォーラム担当理事 閉会挨拶

オーガナイザー】近藤 峰生先生(三重大学)・町田 繁樹先生(獨協医科大学埼玉医療センター)

主催 公益社団法人 日本網膜色素変性症協会(JRPS)
後援 厚生労働省、公益社団法人 日本眼科医会、日本ロービジョン学会、
公益社団法人 ネクストビジョン

※本フォーラムの対象:眼科医・医療関係者、行政・福祉関係者、患者・家族
※本フォーラムは専門医認定事業です。
※専門医認定をご希望の方は、別途申し込みが必要です。
事務局(E-mail: infojrps.org または、
Tel. 03-5753-5156)までお問合せください。

寄付に対する税制上の優遇措置について 本部事務局
今年も確定申告の季節になりました。
公益社団法人日本網膜色素変性症協会(JRPS)へ個人の立場でご寄付いただくと、所得控除または税額控除のいずれかを選択適用できます。
1)所得控除を選択する場合 その年中に支出した寄付金の額の合計額から2,000円を控除した金額を、その年分の総所得金額から控除できます。ただし寄付金の額の合計額は、総所得金額の40%相当額が限度です。
2)税額控除を選択する場合その年中に支出した寄付金の額の合計額から2,000円を控除した金額の40%相当額をその年分の所得税額から控除できます。ただし、寄付金の額の合計額は、総所得金額の40%相当額が限度です。また、税額控除額は所得税額の25%相当額が限度です。 控除を受けるためには確定申告を行うことが必要です。
所得税の控除については、お近くの税務署へお問合せください。また住民税の控除についてはお住まいの都道府県・市区町村の条例をご確認ください。

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2022年RI季刊ニュースレター#1

2022年RI季刊ニュースレター#1へようこそ。 

今年はエキサイティングなスタートを切りました。以下の情報更新をお届けできることをうれしく思います。

希少疾患の日2022 

2022年国際女性の日 

ウクライナの紛争に関する声明 

アイスランドでの網膜国際世界会議 

Retina International Youth Council(RIYC)の最新情報 

教育ハブ 

遺伝子検査キャンペーンの進捗状況 

AMDの研究調査が進行中 

主要な研究の更新 

メンバーの更新とイベント 

Charcoal graphic with three squares in green, light blue, and fuchsia. Rare Disease Day logo in light blue square. Colorful R I logo in bottom left corner. Text reads Rare Disease Day, 28 February 2022. Hashtag Know Your Code. Hashtag Rare Disease Day.

希少疾患の日2022

希少疾患の日は、希少疾患を抱える世界中の3億人以上の人々に公平と包摂を与えるよう要求する世界的なキャンペーンです。今年の希少疾患の日は2022年2月28日に行われました。

遺伝性網膜変性症(IRD)はまれな眼疾患であり、影響を受ける個人、その家族、およびその介護者にさまざまな影響を与えるため、網膜コミュニティにとって重要なキャンペーンです。私たちRIは、今年の希少疾患の日を、IRDとともに生きる人々のための遺伝子検査やカウンセリングなどのサービスへの公平なアクセスの必要性を強調することに注力しました。

ツイートやアセット(情報資源)を共有していただき、ハッシュタグKnow Your Codeを使用して、キャンペーンに参加してくれた人々に感謝します。希少疾患の日は過ぎましたが、私たちは、IRDとともに生きる人々のために、公平で、手頃な価格で、タイムリーな遺伝子サービスへのアクセスを提唱し続けます。

 

 

Charcoal graphic reading International Women's Day. March 8, 2022. Hashtag Break The Bias. Hashtag I W D 2022. Photo shows CEO Avril Daly in a black and white dress with her arms crossed at the wrists.

国際女性の日2022

国際女性の日は2022年3月8日火曜日に開催されました。今年のテーマは、「偏見を打破しよう」(#BreakTheBias)でした。コミュニティや職場などの偏見を打破するために貢献するということです。

国際網膜協会(RI)のCEOであるAvril Daly さんは、国際NGOセクターの驚くべき(素晴らしい仕事をしている)女性について次のように語っています。

私は女性たちの行動の現t減を必要性の創意工夫と呼んでいます。これは、満たされていない医療ニーズを持つ子供の母親が、診断、サービス、そして子供たちの命を救ったり改善したりする可能性のある治療法に頻繁に、アクセスできるために、すべてを自由に使用できなければならないときだと感じていたからです。

これらの女性たちは、多くの場合、健康政策や科学のバックグラウンドを持っていないにもかかわらず、研究者や社会科学者、医療専門家、州政府機関、業界と協力して、生活を変える強固なコミュニティを構築しました。彼女たちは地域、国内、国際組織の基礎を築きました。彼女たちの実践活動の遺産は、参画と専門家から提供された情報に基づいた行動を通じて永続的な変化が可能であるという認識です。今では、以前は無視され、取り残されていた患者コミュニティの目的を前進させるために、性別を超えた共通の目標を持ってこのセクターに参入していることがわかります。

2022年の国際女性の日、私は「彼女はただの母親である」または「彼女はただの患者である」という認識の偏見を打ち破った女性(私たち全員のために、私たちがいつも名前を知っているわけではなく、多くのことを成し遂げ、提供し続けている女性たち)を祝福します。

私たちRIは、より包括的な世界を築き上げ、偏見を打ち破り、固定観念に挑戦する女性を祝うことに尽力しています。

InstagramTwitter、Linked In、Facebookにアクセスして、RIチームが私たち自身の#BreakTheBias写真を共有していることを確認してください。

 

Charcoal graphic with colourful R I logo in bottom left corner. In the center is an outline of the country of Ukraine, the top half in blue and the bottom half in yellow.

国際網膜協会(RI)のウクライナに関する声明

Retina Internationalは、ウクライナで網膜変性症を患っている人々に懸念を表明しています。

網膜変性疾患を患っている人々は、リハビリテーションや機器、眼科の予約や治療などの重要なサービスへの継続的なアクセスを確保するために、機能している社会の支援を必要としています。

国際網膜協会は、遺伝性網膜変性症や加齢性眼疾患の影響を受けているウクライナに住む人々の福祉に関心を寄せています。

今日、私たちは、欧州連合、国連、WHO、その他の人道組織、そして国際社会全体に、この脆弱なグループを保護し、ウクライナと近隣諸国の両方で支援を提供するよう呼びかけます。

国際網膜協会は、メンバーやパートナーと協力して、この紛争の影響を受けた網膜変性疾患を抱える人々やケアを提供する人々が直面するニーズと課題を理解し、政策立案者が効果的に対処できるよう支援します。

平和的な解決を願って、ウクライナの人々と紛争に巻き込まれたすべての人々に私たちの支援を伝えたいと思います。

本協会のウェブサイトの声明を読むには、ここをクリックしてください

 

World Congress logo forming a blue eye. Text reads R I W C 2022. Twenty-first Retina International World Congress.

国際網膜協会世界会議2022 (RIWC2020)

今年6月にアイスランドのレイキャビクで開催される第21回世界会議を楽しみにしています。地域の公衆衛生制限の対象となる会議の現在のスケジュールは次のとおりです。
6月8日(水)             Youthプログラム
6月9日(木)             継続教育プログラム(メンバーのみ)  世界大会歓迎式典
6月10日(金)  科学プログラム1日目
6月11日(土)      科学プログラム2日目   ガラディナー(数量限定)
6月12日(日)  総会(代表者のみ)

イベントが近づくにつれ、次の締め切りに注意してください。
2022年3月15日–早期登録の締め切り
2022年4月15日–締め切りキャンセルの払い戻し

Retina International Youth Councilが主催する新しいユースプログラムは、
ウェブサイト riwc2022.is
でもご覧いただけます。今年のプログラムのハイライトには、レイキャビクの街を探索しながら参加者がお互いを知る機会を提供するアメージングレースグループコンペティションが含まれます。
皆様のお越しを心よりお待ちしております!質問、懸念、コメントがある場合は、RIWC2022@sena.is までご連絡ください

 

Retina Internationalの若者の声:
RetinaInternationalYouthCouncilを知る

投稿者:Marina Leite Brandao

 Retina International Youth Council(RIYC)は、2021年に、世界中の代表者からなる委員会とともに正式に活動を開始しました。初年度、評議会はオンライン仮想ユース会議の開催に成功し、ソーシャルメディアキャンペーンでRetina Internationalをサポートし、会長、副会長、書記を選出し、委任事項を作成しました。今年、評議会メンバー数は増加し、ブルガリア、チリ、フィンランドからの指名を受けました。新しいメンバーに加えて、評議会にはオーストラリア、ブラジル、カナダ、ドイツ、ニュージーランド、南アフリカ、スイス、米国からの代表者もいます。
現在、RIYCはアイスランドチームと協力して、ユース会議を企画しています。 RIYCは、ユース会議に非常に興奮しており、18歳から39歳までのすべての人をイベントに招待しています。ユース会議の詳細については、イベントの公式Webサイト www.riwc2022.is にアクセスしてください。
あなたの国はまだRetina International Youth Councilのメンバーではありませんか? RIYCは、Retina Internationalのメンバーと候補メンバーからさらに多くの推薦を受けたいと考えています。メンバーになるには、18歳から35歳で、英語の実務知識を持っている必要があります。 Retina Internationalの各メンバーまたは候補メンバーは、最大2人の代表者を指名できます。 Retina Internationalの教育および参画マネージャーであるFiona Watersに連絡して、青少年を推薦する方法を確認してください:fiona.waters@retina-international.org

 

遺伝子検査キャンペーンの進捗状況

現在、IRD(遺伝性網膜疾患)の遺伝子検査の重要性に関するキャンペーンを展開中です。私たちの遺伝子検査特定任務隊(タスクォース)は、遺伝子検査に関する総括(ランドスケープ)研究の成果をレビューし、遺伝子検査サービスへのプロセスとアクセスに関するグローバルな指標を開発する作業をすでに開始しています。タスクフォースは3月21日に最後の会議を開きます。
私たちは最近、患者のためのプロセスと私たちの研究からの予備的な結果を概説する遺伝子検査ファクトシートを開発しました。ファクトシートは、本WebサイトのKnowYourCode ポータルにあります。

遺伝子検査のファクトシートにアクセスするには、ここをクリックしてください

 

Retina International AMD Study(国際網膜協会の加齢黄斑変性症に関する研究)

Retina Internationalは現在、加齢性黄斑変性症(AMD)の実際の影響をよりよく理解するためにグローバルな研究を行っています。この研究は、AMDと共に生きる人々とそれらを支援し世話をする人々の日常生活と幸福への影響についての知識と理解を深めると共に、健康と社会的ケア、雇用に対するAMDの経済的コストについての知識と理解を深めるために使用されます。この研究の結果を共有することを非常に楽しみにしており、研究に参加し、促進するのを助けてくれた人々に感謝したいと思います。

 

重要な研究の進捗情報ニュース

早期糖尿病性黄斑浮腫(DME)に対するILUVIEN硝子体内インプラントの第4相試験では、36か月での最高矯正視力(BCVA)、中心窩網膜厚(CST)、および治療負担の統計的に有意な改善が示されています

イタリアの患者は、加齢に伴う黄斑変性症のための新技術(後期AMDで失明した患者が中心視力を取り戻すのに役立つ、次世代の埋め込み型小型望遠鏡)であるSamsara Vision社のSING IMTを受け取れます

Regenxbio社は、脈絡膜上送達を使用した糖尿病性網膜症の治療のためのrgx-314の第II相altitude™試験から良好な中間データを得たと公表しました

Kodiak Sciences社は、新生血管(ウェット型)加齢性黄斑変性症患者を対象としたKSI-301の初期フェーズ2b/3試験のトップライン結果を発表しました

Regeneron社は、血管新生会議で、湿性加齢性黄斑変性症における高用量アフリベルセプト8mgの有望な第2相結果を得たと公表しています

新生血管型AMD(nAMD)の経口薬候補はフェーズ2a試験で有望な結果が出ています

 

メンバーの最新情報

メンバーから共有された最新情報やイベントについては、以下をご覧ください
組織からのニュースを次のニュースレターで取り上げたい場合は、コミュニケーションオフィサーの Dana Hufe(dana.hufe@retina-international.org)にメールでお問い合わせください。

アッシャー症候群と網膜色素変性症の臨床試験

米国の網膜協会である「ファウンデーション・ファイティング・ブラインドネス」とインフォームドDNA社がパートナーを組み、ProQR社の極めて重要な、アッシャー症候群と網膜色素変性症の臨床試験に、それが疑われる患者に参加してもらい、対象者の選別(スクリーニング)をします
プレスリリースを読むにはここをクリックしてください

第16回網膜変性に関する国際研究コロキウム

(ドイツのRPとAMD患者団体であるProRetinaの主催)
2022年4月1日〜2日(ポツダムにて開催予定)
詳細についてはここをクリックしてください
詳細についてはここをクリックしてください

アッシャー症候群財団助成金の応募案内:

月ロケット財団(オランダ)助成金
提出期限2022年5月29日
詳細情報はこちら

 

(日本語への翻訳:JRPS公式WEB管理人)

※ただし、リンク先の頁の自動翻訳の日本語については、責任は持てませんので、悪しからず、ご了承ください。わからないときは、クイズだと思って楽しんでください。(森田)

 

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あぁるぴぃ156号 目次

令和4年 年頭のごあいさつ                          3

JRPSだより                               4

「理事の立候補及び監事の推薦」に関する告示               4

第16回JRPS網脈絡膜変性フォーラム 開催要項              5

寄付に対する税制上の優遇措置について                6

電話相談のご案内                                6

2022年「世界網膜の日」の開催地松江のグルメの紹介(矢野 健)   7

JRPSオンラインセミナー2021 開催報告               9
【第1回】テーマ:網膜ゲノム医療の近未来(その2)           9
【第2回】テーマ:ゲノム医療推進と遺伝子診断            10

【特別寄稿】網膜電気刺激治療 第3相医師主導治験              11
千葉大学大学院医学研究院 眼科学 三浦 玄

QOL向上推進委員会(QOLC)通信                       12
第17回 スマートスピーカー、そして、スマートハウス(園 順一)     12

全国JRPS 新リーダーご挨拶~                      14
千葉 和也(岩手県網膜色素変性症協会 代表代行)                  14
譜久島 環(沖縄県網膜色素変性症協会 代表代行)                  14
長田 麻希(JRPSユース 部会長)                  14

あぁるぴぃ広場 ~会員からの投稿~                      15
白杖ボーイへの葛藤(大分県 山元 正史)                        15
転機(愛媛県 加藤 正志)                             16
つながるって心強い(兵庫県 中尾 郁子)                        16
本の世界から 再び心が豊かに(岐阜県 伊藤 ちか子)             17
気付いたときに行動を!(埼玉県 西崎 龍男)                  17
学校へ行こう(山形県 柿崎 秀文)                  18

都道府県JRPS活動予定                      19
北海道…… 19/ 岩手県……19 / 秋田県……19 / 宮城県……19 / 福島県……20
群馬県……20 / 栃木県……20 / 埼玉県……21 / 千葉県……21 / 東京都……21
神奈川県…22 / 新潟県……22 / 長野県……22 /岐阜県……22 / 愛知県……23
三重県……23 / 滋賀県……23 / 京都府……23 / 奈良県……24 / 大阪府……24
和歌山県…24 / 兵庫県……25 / 岡山県……25 /広島県……25 / 山陰………26
香川県……26 / 徳島県……26 / 愛媛県……27 / 福岡県……27 / 大分県……27
熊本県……27 / 宮崎県……28 / 鹿児島県…28

専門部会の活動予定        28
JRPSユース… 28
編集局より         29
広告ページ         29
編集後記             32

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静岡県網膜色素変性症協会

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倉田 健太郎先生(浜松医科大学眼科)

倉田 健太郎(浜松医科大学眼科学講座)[ライオンズ賞]

受賞テーマ「わが国のX連鎖性網膜色素変性患者に対する遺伝子治療を目指した原因遺伝子特定と長期自然経過観察研究」

このたび、JRPSライオンズ賞に選出いただきました浜松医科大学の倉田健太郎と申します。研究助成をいただけることを大変光栄に思っております。会員の皆さまには心より感謝申し上げます。
網膜色素変性症は、遺伝子の異常によって発症することが知られています。原因となる遺伝子は80種類以上が知られており、遺伝の仕方もさまざまです。そのなかでもX連鎖性と呼ばれる遺伝形式の網膜色素変性症(X連鎖性網膜色素変性症)は発症年齢が早く、また病状がより重篤とされています。X連鎖性網膜色素変性症は、主に男性に発症しますが、女性においても視覚障害がみられることがあり、無症状なものから重篤なものまでさまざまです。現在、網膜色素変性症を対象とした遺伝子治療や創薬の治験が進んでいます。X連鎖性網膜色素変性症においても例外ではありません。
遺伝子治療は、病状が進んでいない早期の段階で行うことでより良い効果が得られることが知られているため、早期に診断がなされることがとても大切です。さらに遺伝子治療の効果を判定するには、比較対象として病気の自然経過をよく理解していなければなりません。
私どもの教室では、網膜色素変性症に対して、これまでに正確な遺伝子検査を行い、自然経過に関する報告を行ってきました。そして近年、12家系からX連鎖性網膜色素変性症の原因遺伝子を同定して、臨床像(発症年齢や視機能など)に関する報告を行いました。
しかし、より詳細に検討するためにはさらに症例を積み重ねて調査が必要です。そこで私の研究は、さらに対象を蓄積することでX連鎖性網膜色素変性症の臨床像を明らかにし、長期にわたる病気の自然経過を調査することを目的とします。
本研究により自然経過に伴う視機能変化を予測できるようになります。それをもとに、患者さまにはより正確なカウンセリングを行うことができます。また、将来遺伝子治療が可能になった際には、その効果判定を正確に行うことが可能となります。本研究によって皆さまのお役に立てるように、最大限の努力をしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

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木村 和博先生(山口大学大学院医学系研究科眼科学)受賞メッセージ

木村 和博(山口大学大学院医学系研究科眼科学)

受賞テーマ「網膜色素変性症におけるグリオーシス形成の分子機序解明と新規治療薬の開発」

このたびは第25回JRPS研究助成に採択いただき、深くお礼申し上げます。選定いただいた審査委員ならびに、JRPSの関係者の方々に厚く御礼申し上げます。
我々は、これまで眼内における線維化発症のしくみとその新規治療法開発を大きな目標として研究を行ってきました。線維化とは、炎症によって組織障害が引き起こされた後、組織中のコラーゲンなどの結合組織が異常に増えて沈着する現象のことをさします。全身の多くの臓器で発生し、線維化を起こした臓器は、時として機能不全に陥ります。
一方で、脳や網膜などの中枢神経系では、線維化と似たようなグリオーシスをきたし機能障害をきたすことがあります。現状、組織障害後の線維化、グリオーシスを抑制する有効な治療法は未だ見つかっていません。網膜色素変性症は、視細胞、網膜色素上皮細胞の広範な変性によって視機能が障害をうける病気です。それに加えて、網膜内でのグリオーシス形成や網膜上に二次的に形成されるグリオーシスを含む網膜前膜などが視機能のさらなる悪化を促す要因となっています。
今回の研究では、網膜色素変性症モデルマウスを用いて、網膜でのグリオーシスが形成される仕組みならびにその治療薬の足掛かりとなる因子を見出します。さらに、その結果から研究を発展させ治療薬につながる新たな薬剤を見つけ出したいと思っています。網膜色素変性症の進行を少しでも遅らせ、さらに残っている視機能を最大限維持できるような治療法の開発につながればと切に願っています。
微力ではありますが、今後も患者さまへ最良の医療を提供できるよう邁進してまいります。

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藤原 康太先生(九州大学病院眼科医局)受賞メッセージ

藤原 康太(九州大学病院眼科医局)

受賞テーマ「網膜色素変性の個別化医療に向けたエビデンス構築」

このたびJRPS研究助成に選出いただきました九州大学の藤原康太です。研究助成をいただけることとなり、会員の皆さまには心より御礼申し上げます。
網膜色素変性は、遺伝子が原因で発症する病気であることが知られておりますが、その遺伝子と進行スピードとの関連は十分に分かっておりません。網膜色素変性の原因となる遺伝子の多くは視細胞である杆体細胞に関連するものであり、典型的には夜盲や視野狭窄で発症します。一方で、もう一つの視細胞である錐体細胞が担う明所視や中心部分の見え方は初期では保たれる場合が多く、網膜色素変性が進行すると中心部分が見えにくくなります。この中心部分の見え方の変化には神経の炎症や酸化ストレス、エネルギー代謝などが関与していることが明らかとなっており、網膜色素変性は遺伝的な他にも環境的な要素が関係しながら進展すると考えられます。
私たちの施設には、たくさんの網膜色素変性患者さまが定期的に通院されており、その遺伝子の情報や中心の見え方の蓄積されたデータを解析することが可能です。我々の研究グループでは、網膜色素変性への神経の炎症の関与について世界に先駆けて着目し、網膜色素変性患者様の眼内で炎症を示す数値が上昇しており、中心の見え方やその悪化するスピードに影響していることを明らかにしています。
今回の研究で私が取り組みますのは、これまでの研究成果を土台としてデータを継続して収集し、環境要因を含めて網羅的に解析することで進行に影響する因子を明らかにします。さらに進行スピードに影響するそれぞれの遺伝要因や環境因子の関与の大きさを分かりやすくし、網膜色素変性の個別の治療法を確立することにつなげようと考えております。
患者さまは失明の不安のなかで過ごされており、いつまで見ることができるのか心配されていると思います。この研究が治療法開発に結びつき、皆さまのお役に立てるように研究に努めて参りますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

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