RP−net川柳会
「もやい傘」
[2022年12月の課題]




[更新日 : 2022年11月26日]



[12月の課題]
  〜「晦日」と「大晦日」〜

 晦日とは、月の最後の日のこと。読みには、「みそか」「つごもり」「かいじつ」
がある。みそかは、月の30番目の日(三十日)の意味だが、実際の日付に関係なく、
月の最終日を意味するため、31日まである月は30日ではなく31日を「みそか」と言う

 つごもりは、陰暦では月が隠れる頃が月末にあたることから、「つきごもり(月隠
)」が音変化したもの。更に音変化して「つもごり」ともいう。
 かいじつは、「晦日」の音読。「晦」の字は、月が隠れることを表している。

 大晦日とは、12月31日のこと。一年の最後の月の最終日であることから、「大」を
冠して「大晦日」となった。晦日を「みそか」や「つごもり」と読むのは、和語を当
てた当て読みで、漢字本来の読みからすれば「かいじつ」だが、大晦日は「おおみそ
か」か「おおつごもり」としか読まず、「おおかいじつ」や「だいかいじつ」とは読
まない。

 ところで、毎日新聞「余録」(2017/12/26)に、「大晦日」に因んだおもしろい古
川柳が掲載されている。
 「元日や今年もあるぞ大晦日」。当たり前の話なのに川柳になるのは江戸の昔は大
みそかが借金取りとの攻防の日だったからだ。日用品も掛け売りが普通だったので、
大みそかに掛け取りがどっと家に来た。
 「大晦日亭主家例の如く留守」(家例:その家に伝わる特別なしきたり)、「掛取
りが来ると作兵衛うなり出し」、「押入れで息を殺して大晦日」。借金取りから逃れ
る仮病や居留守は川柳の笑いの定番であった。井原西鶴の「世間胸算用」には手の込
んだ借金取り撃退法がある。「亭主の腹わたをくり出しても取る」。留守番を脅しつ
ける男の勢いに、他の借金取りは「ここはだめだ」とあきらめる。だが当の亭主はど
なっている男の留守宅で同じことをしていた。借金取り撃退の「大晦日の入れ替わり
男」だ(以下、略)

※ 『大つごもり』〜樋口一葉の小説。明治27年(1894)発表。大みそかを背景に、
女中奉公をしている薄幸の娘お峰の哀感を描く。

 それでは、例によって上記の中から出題します。

■2022年12月(No.137) 
題:「十二月」 (航太郎 選) 
題:「日用品」(詠込み不可) (かずよ 中川由希子 共選) 
題:「借金」 (昌彦 選) 
 (各題2句出し)
◎今月の締切:12月20日(火)正午必着






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