RP−net川柳会
「もやい傘」
[2023年1月の課題]




[更新日 : 2022年12月22日]



[1月の課題]
  〜お粥の話〜

 「お粥」の話をしよう。我が家は大阪・河内地方の農家であった。農家では、四つ
(よつ 午前10時)と七つ※1(ななつ 午後4時)に農作業を休憩して、「おか
いさん」(河内・大和は茶粥、おかゆさんの訛り)を食べた。それぞれ「よつ」「な
なつ」といった。1日5食であった。今の「おやつ」である(午後2時の「八つ」か
らきているのだろう)。塩がぴりっと利いていてうまかったが、農作業で汗をかくの
で塩を利かせているのは合理的であった。
 戦後は茶粥にさつま芋を入れた「芋粥」※4を毎日食べたものである。〈芋粥をす
すると蘇る戦後〉(進)。
 しかし、「河内の茶粥」とはいえ、病気になると五分粥や七分粥はやはり「白粥」
であった。毎日茶粥を食べていると白粥が大変新鮮であった。

 今では、病気の時を除けば粥を食べることはほとんどなくなった。1年に1度食べ
る粥といえば「七草粥」である。

★七草がゆの由来と春の七草※3
 年に5回の季節の変わり目のことを五節句※2といい、古くから特別な食事を用意し
て豊作や無病息災を願った。七草がゆ※2を食べるのもそのひとつ。
 毎年1月7日、一年の最初の節句である「人日の節句」に七草がゆを食べるのは、
七草の若芽を食べて植物がもつ生命力を取り入れ、無病息災でいられるようにという
願いが込められている。

※1 民謡『お江戸日本橋』の1番の歌詞
  お江戸日本橋七つ立ち 初上り
  行列揃えて あれわいさのさ
  こちや 高輪 夜明けの提灯消す
  こちやえ こちやえ
 この「七つ立ち」は、明けの七つ(午前4時)に出発することをいう。

※2 五節句とは…
・人日の節句:1月7日
 七草の節句。七草の入ったおかゆを食べ、一年の無病息災を願う。
・上巳の節句:3月3日
 桃の節句。ひな人形や桃の花を飾り、女子の誕生を祝い、健やかな成長を願う。
・端午の節句:5月5日
 菖蒲の節句。男児の誕生を祝い、健やかな成長を願う。菖蒲湯に浸かって厄を払い
、子孫繁栄を意味する柏の葉を使った柏餅を食べる。
・七夕の節句:7月7日
 笹の節句。短冊や飾りを竹に吊るし、豊作を祈るとともに技芸の上達を願う。
・重陽の節句:9月9日
 菊の節句。薬としての効果や邪気を祓うとされる、菊の花を浮かべた菊花酒を飲み
、長寿を願う。

※3 春の七草とは…次の7種類の野菜
せり:せり科の多年草 なずな:アブラナ科の越年草 ごぎょう:キク科の越年草
  はこべら:ナデシコ科の越年草 ほとけのざ:キク科の越年草
すずな:「鈴菜」、カブの古い呼び名 すずしろ:「清白」、大根の古い呼び名
・せりなずな ごぎょうはこべら ほとけのざ すずなすずしろ 春の七草 と覚え
る。
・因みに、はぎききょう おばななでしこ おみなえし くずふじばかま 秋の七草

※4 『芋粥』は芥川龍之介の初期の短編小説。芋粥をたらふく食べることが夢である
主人公が、いざ芋粥を出されるとなぜか食欲が出ず、ほとんど食べることができない
… 「今昔物語集」及び「宇治拾遺物語」に取材した、平安朝を舞台にした王朝もの
の作品の一。

 それでは、例によって上記の中から出題します。

■2023年1月(No.138) 
題:「芽」(発芽の芽) (進 選) 
題:「健やか」 (美幸 選) 
題:「夜明け」 (憲峰 選) 
題:「休憩」 (航太郎 選) 
 (各題2句出し)
◎今月の締切:1月24日() 正午必着




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