前⽥ 忠郎先⽣(神⼾市⽴神⼾アイセンター病院)

受賞テーマ︓
「iPS細胞由来網膜⾊素上⽪細胞移植の実⽤化
に向けた、最適な製剤化条件の検討」

ご挨拶︓この度は第24回JRPS研究助成をいただきまして、本当にありがとうございました。感謝の気持ちで⼀杯です。 皆さまのご期待に沿えますよう、努めてまいります。
⾃⼰紹介︓私は現在、神⼾アイセンター病院で、網膜の病気の外来と、網膜の病気の新しい治療を作るための研究にかかわる仕事をさせていただいています。アイセンターで勤務を始めたのは2018年9⽉からです。
それまでは、⽶国で網膜に関する研究や病院で外来をしたり、⽇本に帰国してからはバイオベンチャーで再⽣医療を作るためのいろいろな仕事に携わる機会をいただき、今に⾄っています。今までの経験を⽣かし、ここ、アイセンターで、 とても充実した毎⽇を過ごしています。ちなみに趣味は体を動かすことで、マラソン⼤会に出たり、⽝をリックサックに背負って⼀緒に登⼭したりしています。
研究について︓私が研究を始めたきっかけは、研修医の時に、治療⽅法がない網膜の病気の患者さんに出会い、病気の原因について学びたい、と思ったことです。病気の原因を正しく理解することで、患者さんに正しく病気の説明をしたり、 新しい治療⽅法を作るための研究に参加できる、と考えました。今回、賞をいただいた研究の⽬的は、iPS細胞から作った網膜⾊素上⽪という細胞を使って、細胞が元気な状態で、細胞を作る施設から病院まで届けるための⼯夫を考えることです。 この研究により、多くの患者さんのもとに細胞を届けることを⽬指します。
メッセージ︓外来では、ご病気をものともせずお越しくださる患者さんが、ご⾃⾝の貴重なご経験、そして思いをお話してくださるのが 何よりありがたく、患者さんから学んだことを如何に研究に⽣かしていくか、を考えています。
この研究を通じて、いろいろな情報を共有しながら、皆さんと⼀緒に歩んでいければと思います。 これからもどうぞよろしくお願いいたします。

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長谷川 智子先生(京都大学眼科)

受賞テーマ:
「網膜色素変性症の新規進行抑制治療薬としての分岐鎖アミノ酸の
細胞保護メカニズムの解明」[ライオンズ賞]

この度は、「網膜色素変性症の新規進行抑制治療薬としての分岐鎖アミノ酸の細胞保護メカニズムの解明」というテーマで研究助成をいただき、誠にありがとうございます。大変光栄に思っております。
網膜色素変性症は、網膜の神経細胞である視細胞が変性して、視野狭窄などの症状が進行する疾患です。私たちは、現在までに、細胞内のエネルギーの不足が神経細胞の細胞死を引き起こすとの仮説に着目して、細胞内のエネルギー不足を防ぐことで細胞死を抑制できる可能性があるのではないかと考えて、研究を行ってきました。
分岐鎖アミノ酸は、食べ物から摂取することが必要な必須アミノ酸ですが、私たちは、細胞内のエネルギー源としての分岐鎖アミノ酸に着目して研究を行っています。分岐鎖アミノ酸は、ストレスを加えた培養細胞では、細胞内のエネルギー減少を抑制し、細胞死を抑制しました。また、網膜色素変性症のモデルマウスに対して、分岐鎖アミノ酸を投与したところ、分岐鎖アミノ酸は網膜の視細胞の変性を抑制し、網膜の機能の低下を抑制することが明らかになりました。私たちは現在、分岐鎖アミノ酸の網膜色素変性症患者さんでの効果と安全性を検討するため、70名の患者さんにご協力をいただき、医師主導治験を行っております。
医師主導治験により、網膜色素変性症患者さんでの分岐鎖アミノ酸の効果を検討し、また、並行して分岐鎖アミノ酸による細胞死抑制メカニズムの解明を進めていくことで、分岐鎖アミノ酸を用いた網膜色素変性症の疾患進行抑制薬の開発を進めていきます。現在行っております治験にも、多くの患者さんにご協力いただいており、患者さん方のご協力に感謝しております。一日も早く、多くの患者さんが使用することのできる、有効な疾患進行抑制薬の開発につなげられるように、頑張って研究を進めていきたいと思います。

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朝岡 亮先生(東京大学医学部附属病院眼科学教室)

受賞テーマ:
「網膜色素変性症のベイズ推定による視野進行予測およびそれを利用した高速視野計測、眼底自家蛍光による視野予測モデルの構築・検証」

今回「網膜色素変性症のベイズ推定による視野進行予測およびそれを利用した高速視野計測、眼底自家蛍光による視野予測モデルの構築・検証」という研究テーマで研究助成をいただくことになり、誠にありがとうございました。大変光栄に思っております。
網膜色素変性症では、慢性進行性の視野狭窄が起こりますが、緑内障でも同様です。緑内障においては視野の進行の速さを評価し、その速さに応じて治療が行われています。しかし視野検査の回数が少ないと正確な進行評価ができません。私は、ベイズ統計という方法を使って、これまでの方法よりも遥かに正確に視野進行を評価する方法を構築しました。この方法では網膜色素変性症でも同様に、少ない視野でも正しい進行評価を行うことが可能と考えられますので、そのことの検証を行っていきたいと考えています。
また、このベイズ統計と使った視野予測を用いることで、これまでよりも視野計測自体も短縮できるのではないかと考えています。実際に緑内障患者さんでの検証では、正確かつ高速な視野検査が可能でした。網膜色素変性症での有効性も、同様に検証してみたいと思っています。
また、網膜色素変性症では、「自家蛍光」という、特徴的な眼底所見を示します。私たちは、この自家蛍光と視野障害との間に密接な関連があることを明らかとしました。このことを利用して、眼底自家蛍光から、視野感度を推測する研究も行いたいと考えています。
精一杯取り組んで参りたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

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林 孝彰 先生(東京慈恵会医科大学葛飾医療センター)

全身疾患に合併する遺伝性網膜ジストロフィの
病態解明を目指した分子遺伝学的研究

今回、「全身疾患に合併する遺伝性網膜ジストロフィの病態解明を目指した分子遺伝学的研究」という課題に対して、第23回JRPS研究助成金を受賞することができ大変光栄に存じます。私は長年網膜ジストロフィの専門外来・遺伝子研究に携わっております。目の前の患者さんの原因遺伝子を特定し、将来の治療法に結びつけたいという信念が私の診療・研究の信条でありミッションとなっています。最近のホットな話題として、iPS細胞からの再生医療に関して他家移植が成功し、いよいよ網膜色素変性の患者さんへの治療が期待される段階になりました。また、欧米で行われている遺伝子治療も日本でも行われる可能性があります。決定的な治療法がなかった遺伝性網膜ジストロフィに対する治療法の進歩・発展は目を見張るものがあります。
しかし、遺伝子治療の前段階として、原因遺伝子が特定されていることが条件となっています。網膜ジストロフィの中には、網膜異常に加え、眼外症状・全身的合併症を引き起こす病態が知られております。私たちはこれまでに先天黒内障に低身長、代謝異常症を合併した繊毛病(細胞の触覚と言われる繊毛を構成する遺伝子の異常によって発症する病気)の1つAlstrom症候群の新規ALMS1遺伝子変異(Katagiri et al, MolVis, 2013)を特定し早期の代謝異常に対する治療に結びつける役割を果たしました。また、先天黒内障とネフロン癆(小児期に腎不全になる疾患)を合併したSenior-Loken症候群に対して、病態解明につながる新たな原因として世界で初めてSCLT1遺伝子変異を特定しました (Katagiri et al Sci Rep,2018)。今回の研究では、小児科医、皮膚科医、電子顕微鏡専門研究者、分子生物学基礎研究者と連携し、希少疾患である繊毛病やライソゾーム病の病態解明に向け、これらの全身疾患に伴う遺伝性網膜ジストロフィの患者さんからDNAを抽出、次世代シークエンサを用いた全エクソーム解析を行い、原因遺伝子を突き止める研究を行います。この中で遺伝子変異と疾患表現型の関連性を明らかにし、酵素補充療法や遺伝子治療など将来の治療法へ向けた基盤研究に進展させたいと考えています。この度は、JRPS研究助成金を受賞でき、会員の皆さまに感謝申し上げます。

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「あぁるぴぃ」の創刊に寄せて 

小野塚 ゆか

 RPとは私たちの病気、網膜色素変性症の学名Retinitis Pigmentosaの頭文字です。
先日、7月7日から10日にパリで開催された第8回IRPA(国際網膜色素変性症協会)の世界大会に出席しました。約30ヶ国の患者の代表や学識者が集まり大盛況でしたが、そこで会った各国代表は、こんなふうに初参加の私に話しかけてくれました。「ゆかはRPなの?」「そう」「兄弟は?」「いいえ、私だけ」「それはラッキーだね。ゆかの兄弟はここに来られなかったものね」
そして、それが心から笑って「そのとおり」と言えるほど、参加者は皆明るく、楽しかったのです。
ニュージーランド代表で参加していた70才のおばぁちゃまは、「ゆかは世界中に兄弟ができたのよ。私たちはみんなひとつの家族よ」、と言ってくれました。
なぜこの人達はこんなに明るく希望に燃えているのだろうと不思議でしたが、2日目、3日目とプログラムが進むうちに理由がわかってきました。それはIRPAの目的、同時に私たちJRPSの目的である「RPの治療法の開発」のためにみんなが協力して、その努力が着実に実を結んでいるからなのです。
IRPAに加盟する各国協会は、お金を集めて研究費に充てています。税制上「寄付大国」であるアメリカには、協会所有の研究所が13ヶ所もあり、それだけでなく、他国協会の研究費も援助しています。また協会は、患者会員を登録し、遺伝形式やその症状などのデータを必要に応じて研究者に提供しています。研究者は資金とデータの提供を受けていますから、当然研究結果について報告するわけです。
以前、JRPSニュースレターの創刊号で、私は「国と研究者が何もしてくれないと言っててをこまねいて嘆いているだけの時代は終わりました」と書きました。このたび各国代表とじかに触れ合い(英語でわからなかったなりにも)、ドクター達の研究発表を聞いて、私自身がその思いを新たにさせられました。一部には「自分は協力しないけれどもIRPAの研究成果の恩恵には浴したい」という考えの方もいるかもしれません。しかしそれは努力している海外の同病の友に対して、恥ずかしいことではないでしょうか。
私たちが希望を持って生活していくためには、もちろんカウンセリングもリハビリテーションも必要です。RP患者の心理というテーマの研究発表もされていました。また仲間同士の交流、励まし合いも本当に大切です。この「あぁる・ぴぃ」が会員おひとりおひとりにとって必要な情報、ニュースレターだけではカバーしきれない部分をお伝えしていくよう期待して、巻頭の辞とさせていただきます。

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あぁるぴぃ 第1号 目次

あぁるぴぃ 第1号(平成6年1月31日)JRPS患者部会

-◇主な内容◇-

「あぁるぴぃ」の創刊に寄せて・・・・・・・・・・・・・・・1
日本網膜色素変性症協会設立総会 盛況裡に開催・・・・・・・3
◇姉ちゃんがんばったね(寄稿)・・・・・・・・・・・・・・・12
◇視野の等級見直しと身体障害者手帳取得のすすめ・・・・・・13
◇ロウビジョン 理論と実践(1)・・・・・・・・・・・・・18
◇俳句・川柳(寄稿)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・29
◇医療相談会と支部結成準備会議・・・・・・・・・・・・・・・30
◇テープ版発行・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・32
◇ある落後(伍)者の半生・・・・・・・・・・・・・・・・・・33

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国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)事務局からのお知らせ

国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)難治性疾患実用化研究事業事務局でございます。
難治性疾患実用化研究事業では、一般公開の2021年度成果報告会「難病克服への挑戦」を開催いたします。
希少難治性疾患の克服に向けた新たな治療法や診断法の開発を目指す、最新の研究開発の進捗と成果をご報告いたします。

【名称】難治性疾患実用化研究事業2021年度成果報告会
「難病克服への挑戦」

【開催日時】令和4年7月11日(月)~8月10日(水)

【開催形式】オンライン開催(オンデマンド配信)

初日7月11日(月)13:00~16:00にプレナリーセッションを開催。

【参加方法】下記の成果報告会ホームページの参加登録よりお申し込みください。

【参加費】無料(通信費自己負担)

【主催】国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)

2021年度成果報告会のホームページは <https://amed2021nambyo.com/2022/teaser/>
こちら

 

この度は突然のご案内となり、誠に恐れ入りますが、ご協力の程、どうぞよろしくお願い申し上げます。

国立研究開発法人日本医療研究開発機構
創薬事業部 創薬企画・評価課
難治性疾患実用化研究事業事務局

E-mail:nambyo-r@amed.go.jp <mailto:nambyo-r@amed.go.jp>

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RIWC2022学術講演プログラム(6月10日分)

RIWC2022学術講演プログラム (PDF)

Conference programme

Session labelling: K= Keynote – L= Lay – P = Professional.
Location: K= Norðurljós – L= Edition –https://nok2022.com/congress-programme/ P = Norðurljós

6月10日(金)学術講演プログラム

08:30-10:00 (日本時間は、この時間に10時間プラスして下さい)
※ご注意:ネットで時差を調べますと、アイスランド時間と日本は9時間になっています。しかし、6月8日の国際ユースの配信をチェックしましたら、10時間後に配信が始まりました。考えられる要因は、夏時間の実施です。ネットの時差計算表はそれを反映していませんでした。ところが、5月には、ヨーロッパ中央時間(CET)というので国際網膜協会の会議案内が来ていましたので、時差計算をして8時間後に接続したら、実は7時間だったというので、会議は終わっておりました。ですので、今回の6月8日は、7時間プラスから1時間おきに接続を試みた結果、10時間プラスが正解でした。
というわけで、念のためにご面倒ですが、9時間プラスもチェックしていただければ、安心かとおもいます。
なお、視聴申し込みのメールは前回にアップした「
、国際網膜協会世界大会2022 in アイスランド 概要 直前情報」に記載しておりますので、お申し込みください※。個別に異なるURLが送られてきます。他人とは共有しないで下さいという条件付きです。
10日の講演には、高橋先生の基調講演もございます。夜も遅いですし、たくさんある講演を全部聞いていたら、実質11日の午前3時ごろまでありますので、ご体調を考えて、ほどほどにしてください。
 なお、英語が基本ですので、一般の方には、理解が難しいかと思います。例年のRI世界大会のように、できれば、総括の部分の動画だけを、日本語のテロップをつけるか、パワーポイントの日本語版にして、アップしたいと思います。手伝っていただける方がいらっしゃれば大歓迎です。今回の紹介でもそうでしたが、翻訳もさりながら、注を付ける作業も大変でした。
プログラムを翻訳するだけで、かなり消耗しましたが、これから、本日9日の部分を要約して、自分は、(一応、権限をいただいていますので)録画しながら視聴したいと思います。これは紹介したいというのがありましたら、会員の頁にてご紹介します

※ということで先程登録しようとクリックをしたところ、何と2021年度バージョンで、登録できません。担当スタッフから送られてきたURLでしたので、確認しませんでした。ユースの方は今年のバージョンでしたので。できました。
国際ユースの会合と違い、学術プログラムは、北欧の眼科学会と国際網膜協会との共催で開催されております。そのため、本来は視聴するのも有料です。
JRPSは、国際網膜協会の正式加盟団体ですので、JRPSの学術理事の先生方など、出席登録を事前にしている数名のみ、視聴の登録が可能です。先の6月10日のプログラム紹介にもありますように、同時刻に2つの講演がされています。横線で区切っておりますが、初めの方は、「加齢黄斑変性症」の研究を主に取り上げるセッションです。後半の方は、網膜色素変性症を始めとする遺伝性網膜疾患に関するセッションです。
同時刻に1講演だけという、共通の講演は、両方に挙げてあります。高橋政代先生の基調講演は、その例です。ということで、自分の名前や資格、メールアドレスなど必要事項を入れて登録されますが、事前登録していないと受け付けてくれません。
また、HP出共有することは、国際違反行為となることが判明いたしましたので、アップすることができなくなりました。ご了解のほど、お願いいたしますm(__)m
なお、総括部分と私がどうしても紹介したいと考えた講演につきましては、後ほど日本語で理解できるようにしてから、会員のページにアップする予定です。頑張りますので、ご報告をアップするまで、お待ちください。

(管理人:森田三郎)。


Hall: 

P.2日目.1:「加齢黄斑変性症」
モデレーター:Jóhann Ragnar Guðmundsson博士

08:30 – 08:50
「ブルガリア、ドイツ、米国におけるGAと滲出型加齢黄斑変性の社会経済的影響地図状萎縮(GA)
発表者:ナビン・ポーデル氏, ダブリン工科大学研究員

08:50 – 09:05
「オスロ大学病院でのAMDの研究:LUCASから調剤薬局まで、そしてそれを超えて」
※ルンド大学心臓アシストシステム
発表者:Morten Carstens Moe,博士、オスロ大学病院教授, オスロ、ノルウェー

09:05 – 09:15
「アバスチン※の適応外使用:スカンジナビアの格差」
アバスチンの基礎知識
発表者:Tomas Bro, 博士、 ウグロンジェクゼ病院, エキヘ、スウェーデン

09:15 – 09:25
AMD治療を延長するリスク
発表者:David Epstein,博士、
サンクトエリカEYE病院カロリンスカ研究所、ストックホルム、スウェーデン

09:25 – 09:35
スウェーデンにおける黄斑変性症患者の登録状況」
発表者:Inger Westborg博士、ウプサラ大学病院、ウプサラ、スウェーデン

09:35 – 09:50
AMD疫学。遺伝学的リスク及び関連する血清タンパク質。眼、全身、ライフスタイルのリスクについて」
発表者:Friðbert Jónasson博士、アイスランド大学名誉教授、アイスランド

09:50 – 10:00
質疑応答

10:00 – 10:30           Coffee break

 

10:30-11:30   (Norðurljós Hall

P.2.2  「臨床試験における着地点の評価について」
モデレーター: Cecilie Bredrup博士、 ベルゲン大学准教授, ノルウェー
        Sten Kjellström博士、ルンド大学教授、スウェーデン

10:3010:50:
Luxturnaの経験について」第25回Wings通信参照
発表者:Line Kessel博士、 RigshospitaletGlostrup病院眼科教授、デンマーク

10:50 – 11:10
「小児科患者治験における特異性について」
発表者:Elise Heon博士、トロント小児病院教授、カナダ

11:10 – 11:30
患者の参画する遺伝子治療治験における目標の開発:新しい機能的ビジョンの着地点・輝度移動度テスト(MLMT)
発表者:ダニエル・チョン博士、スパーク。セラピューティックス会社, フィラデルフィア、米国

11:30-12:00 (日本時間では午後9時半から‥‥‥たぶん(^^; )
K.2.1 基調講演
網膜再生疾患に対する幹細胞治療について」
発表者:高橋政代博士Vision Care ., 神戸、日本

12:00-13:30   Lunch

12:15-13:15   ランチ・シンポジウム: 国際網膜協会ネットワークパートナー会議 @ Norðurljós
モデレーター: ジェイソン・メンゾ 米国網膜協会会長兼経営最高責任者

12:15-12:20  歓迎の辞 フランツ・バデュラ氏 国際網膜協会議長

12:20-12:25
研究ライフサイクルへの患者の公的参画:概念から提供まで
発表者:アヴリル・ダリさん, 国際網膜協会経営最高責任者

12:25-12:40*
AMD/GAの経済的負担と社会的影響を理解する
発表者:ナビン・ポーデル氏,、国際網膜協会研究学術賞委員会責任者

13:30-14:00 基調講演 (Norðurljós Hall
科学的結果、希望と失望の間のジェットコースター
発表者:クリスチーナ・ファッサー氏、国際網膜協会前会長、チューリッヒ、スイス

14:00-15:00
「遺伝性網膜疾患における表現型と遺伝子型の相関関係について」
モデレーター: Josephine Prener Holtan博士、オスロ大学病院教授、オスロ、ノルウェー
        Bart Leroy博士、Ghent大学教授、ベルギー

14:00 – 14:10:
PRPF31遺伝子の変異によって引き起こされた網膜色素変性症患者の自然史と臨床的特徴
発表者:Kristian Lisbjerg博士、コペンハーゲン大学病院、デンマーク

14:10 – 14:20:
デンマークの色覚異常患者の遺伝的根拠と表現型の特徴
発表者:Mette K.G. Andersen博士コペンハーゲン大学病院Rigshospitalet-Glostrupデンマーク

14:20 – 14:35
遺伝性網膜障害の診断における全エクソームシーケンシング:臨床的展望
発表者: Ragnhild Wivestad Jansson博士Haukeland大学病院ノルウェー

14:30 – 14:50
ヨーロッパにおける希少眼疾患患者ケアと研究のためのブースターERN-EYEご紹介
発表者:Hélène Dollfus CARGO博士、ストラスブール大学病院教授、ストラスブール、フランス

15:00-15:30           Coffee break

15:30-16:00 (Norðurljós Hall
基調講演: Restoration of vision
発表者: Mark S. Humayun博士南カリフォルニア大学教授、 Los Angeles USA

16:00-17:00
眼科額における革新
モデレーター:クリスチーナ・ファッサー氏国際網膜協会、チューリッヒ、スイス
       Einar Stefánsson博士アイスランド大学教授、アイスランド

16:00-16:15
不可知論的遺伝子治療アプローチ
※「遺伝子治療についてまだ分かっていないこと」ととらえてください
発表者:ダニエル・チョン博士、フィラデルフィア、米国

16:15-16:30
糖尿病性黄斑浮腫の治療における可溶化ナノ粒子技術による点眼薬について」
発表者:Þorsteinn Loftsson博士アイスランド大学名誉教授Reykjavik Iceland

16:30-16:45
RD希少疾患基金、ベンチャー慈善活動の革新
発表者:ジェイソン・メンゾ 米国網膜協会会長兼経営最高責任者

16:45-17:00
光遺伝学:進行してしまった網膜疾患のための次世代戦略
発表者:カムロン・カーン博士 Novartis


 

L.日目2.1 網膜変性疾患の臨床的側面
モデレーター:Elise Heon博士、トロント小児病院教授、カナダ

08:30 – 08:50:
「 網膜変性疾患の臨床的側面」
発表者: Elise Heon博士

08:50 – 09:10:
遺伝性黄斑変性症の臨床的側面
発表者: Line Kessel博士、デンマーク国立病院眼科准教授、コペンハーゲン、デンマーク.

09:10 – 09:30
「遺伝性網膜疾患の症候群型について.
発表者:Hélène Dollfus CARGO博士、ストラスブール大学病院教授、ストラスブール、フランス

09:30 – 09:50:
遺伝子検査の状況について」
発表者:Fiona Waters,世国際膜協会, ダブリン, アイルランド

09:50 – 10:00
質疑応答

10:00-10:30  Coffee break

10:30-11:30
L.2.2 遺伝学からみた網膜疾患症
モデレーター: Jón Jóhannes Jónsson博士、レイキャビック国立大学教授、アイスランド

10:30 – 10:50:
遺伝のパターン-分かりやすく理解するために」
発表者:Eirný Þórólfsdóttir博士、 国立大学病院、 Reykjavík, Iceland.

10:50 – 11:10:
結果を理解する-困難な作業
発表者:Jón Johannes Jónsson博士、国立大学病院教授、Reykjavík, Iceland

11:10 – 11:20
遺伝的原因の多様性に関するアイスランドからの教訓
発表者:Daníel Þorsteinsson

11:20 – 11:30:
ABCA4の関与する遺伝子性網膜疾患について」
ATP結合トランスポーター
発表者:Frans Cremers博士、Radboud大学教授、Nijmegen、オランダ

11:30-12:00 (日本時間では午後9時半から‥‥‥たぶん(^^; )
K.2.1 基調講演
「網膜再生疾患に対する幹細胞治療について」
発表者:高橋政代博士
Vision Care ., 神戸、日本

12:00-13:30   Lunch

12:15-13:15   ランチ・シンポジウム: 国際網膜協会ネットワークパートナー会議 @ Norðurljós
モデレーター: ジェイソン・メンゾ 米国網膜協会会長兼経営最高責任者

12:15-12:20  歓迎の辞 フランツ・バデュラ氏 国際網膜協会議長

12:20-12:25 
研究ライフサイクルへの患者の公的参画:概念から提供まで
発表者:アヴリル・ダリさん, 国際網膜協会経営最高責任者

12:25-12:40* 
AMD/GAの経済的負担と社会的影響を理解する
発表者:ナビン・ポーデル氏,、国際網膜協会研究学術賞委員会責任者

13:30-14:00 基調講演 (Norðurljós Hall
科学的結果、希望と失望の間のジェットコースター
発表者:クリスチーナ・ファッサー氏、国際網膜協会前会長、チューリッヒ、スイス

14:00-15:00
L.2.3 幹細胞と遺伝子ベースの治療法の基礎」
モデレーター: Kapil Bharti国立眼病研究所教授、ベセスダ(メリーランド州)、米国

14:00- 14:20
現在進行中の幹細胞を用いた臨床試験の概要
発表者:Goran Petrovski博士、オスロ大学非常勤講師

14:20 – 14:35
幹細胞ベースとした加齢黄斑変性症の治験について
発表者:Kapil Bharti国立眼病研究所教授、ベセスダ、米国

14:35 – 14:50
光遺伝学における臨床試験について」
発表者:Isabelle Audo博士フランス国立衛生研究所教授、パリ、フランス

14:50 – 15:00
「患者として実際の治療法と優れた臨床試験を特定する方法」
発表者:Martin Smedstad氏、ノルウェー網膜協会、オスロ、ノルウェー

15:00-15:30           Coffee break

15:30-16:00 (Norðurljós Hall
基調講演: Restoration of vision
発表者: Mark S. Humayun博士南カリフォルニア大学教授、 Los Angeles USA

16:00-17:00
L.2.4 ロービジョンに関するサービスと対処について
モデレーター:Vala Jóna Garðarsdóttir
       Rosa María Hjörvar氏、アイスランド.

16:00 – 16:15:
アイスランドの視覚障害者のための国立研究所ご紹介
発表者: Elva Dögg Jóhannesdóttir博士眼科医
     Vala Jóna Garðarsdóttir氏、 O&M‥‥‥???

16:15 – 16:30
補助機材を利用した(視覚障碍者の)読書実現
発表者: Rósa María Hjörvarアイスランド大学言語学専攻博士課程在学中

16:30-16:45:
支援技術、apsなど
発表者:Baldur Snær Sigurðsson氏とHlynur Þór Agnarsson

16:45 – 17:00:
生活と仕事における視覚障害への対処
発表者:Halla Dís Hallfreðsdóttir氏とElín Yr. Hafdisardóttir Arnardóttir

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国際網膜協会世界大会2022 in アイスランド 概要 直前情報

メンバーの皆様、来週レイキャビクで開催されるRIWC 2022に皆様をお迎えできることを心から嬉しく思います。
本大会は、2018年以来初めて直接メンバーが合える会議です。RIは来週、数多くの会議を主催できることをうれしく思います。それらには以下が含まれます。

6月8日水曜日と6月9日木曜日
-RIYouthCongress、Blindrafelagid Association for the Blind Offices(Hybrid)

06月9日木曜日-RI継続教育プログラム
Blindrafelagid Association for the Blind Offices(Hybrid)

6月10日金曜日-RINetworkof Partners Meeting、Nordurljos、HARPA
6月11日土曜日-RetinaInternationalGlobal Challenges(対面のみ)、
マリオット・エディション・ホテル、ボールルーム

4つの会議すべての議事に関しては、情報が参照できるよう、添付されています。これらは、議題に記載されている青少年プログラム中のいくつかのセッションを除き、公開会議です。
※添付の詳細については、日本語に翻訳したものを別途アップしておきます。そこへのリンクをこのページの最後に記載しておきますので、ご参照ください。(管理人)

オンラインCEPセッションに登録するには、次のリンクをクリックしてください。
https://zoom.us/webinar/register/WN_xJmaoUC-Rr6xOQDOO-44xQ

オンラインユースプログラムセッションに登録するには、次のリンクをクリックしてください。
https://us06web.zoom.us/meeting/register/tZUrcuuvrT0rHtMydNlr5hnfaFE8foGEAHjb

皆様のお越しを心よりお待ちしております。よろしくお願いいたします。

フィオナ
フィオナ・ウォーターズ
教育および参画マネージャー
Retina International
fiona.waters@retina-international.org
retina-international.org
登録慈善団体番号(RCN)20206322
Retina International, Floor 3, 7 Ely Place, Dublin 2, Ireland

私達と接ってください
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第16回JRPS網脈絡膜変性フォーラム 医療講演概要報告

研究推進委員会(Wings)

3月27日、「遺伝子」をテーマにオンライン形式で開催されたフォーラムの医療講演の概要を紹介します。講演動画は、下記のご報告での記述通り、「会員の頁」にてご視聴できます。

■講演1「網膜変性疾患の遺伝型と表現型」 國吉 一樹(近畿大学)
まず、基本的な事柄について説明があった。遺伝、遺伝子、疾患が起こる原因についてまとめると次のようになる。細胞の中の核にDNAの塊があり、染色体という。DNAはアデニン、シトシン、グアニン、チミンという4種類の塩基が60億個余りも整然とつながったものである。ここには身体をつくるタンパク質の設計図が入っている。これを遺伝子という。DNAの半分は父親由来、半分は母親由来で、子から孫へと受け継がれていく。細胞が分裂するときDNAは正確にコピーされるが、まれにミスプリントが起こる。大抵のミスは修復され、たとえ修復されなくても害はない。しかしDNAの重要な部分にミスが起こると、病気になったり、生まれる前に死んでしまうこともある。RPをはじめとして遺伝性網膜ジストロフィの多くはメンデルの法則に従い、常染色体優性、常染色体劣性、X連鎖性のいずれかの遺伝形式をとる。
講演の後半では、最近わかってきた遺伝性網膜ジストロフィの臨床所見(表現型)と原因となる遺伝子(遺伝型)の関係について多くの症例を取り上げて説明があった。
遺伝型と表現型の関連には一定の規則があるのだろうか。答えは、イエスでもありノーでもある。RPはさまざまな遺伝子の異常により発症し、原因となる遺伝子による特徴的な臨床症状を示すこともあるが、それは一部で、多くは多彩な症状を示す。

■講演2「網膜変性疾患の遺伝学的検査」 林 孝彰(東京慈恵会医科大学)
日本人に多い網膜変性疾患の遺伝学的検査の結果と病態が解説された。
1. 筋緊張性ジストロフィの遺伝学的検査、網膜変性の特徴について:おもな症状は筋力低下だが、白内障や網膜変性を合併。DNPK遺伝子の異常で発症し、常染色体優性遺伝である。トリプレットリピート病の一つでCTG(シトシン、チミン、グアニン)の反復伸張がある。重症度は反復の数によるので、遺伝学的検査で病態や重症度が把握できる。
2.RPGR遺伝子変異をもつRPの特徴について:X連鎖性遺伝で、男性が発症するが女性の保因者に症状が出る場合がある。遺伝子の末端エクソンの前半部に変異があるとRP、後半部にあると黄斑ジストロフィを発症する。世界で遺伝子治療の臨床試験が進行中である。
3.RP1遺伝子変異をもつ網膜疾患のバリエーションについて:優性RP、劣性RP、劣性黄斑ジストロフィの原因となる。日本人では特定の遺伝子異常が多いことが判明、Aluという特殊な配列が遺伝子に挿入されている。
最後に、今後可能性のある内服治療が紹介された。アセチルシステインという抗酸化剤の網膜保護効果の治験が世界的に行われている。白点状眼底に対してβカロテンの臨床研究が三重大ほかで実施された。まもなく結果が公表される。スターガルト病に対しては、視サイクル抑制モジュレーターのエミクススタトの治験が進行中である(窪田製薬)。

■講演3「遺伝性網脈絡膜疾患の一体的診療:遺伝子治療の臨床応用」
藤波 芳(東京医療センター・感覚器センター)
遺伝性網脈絡膜疾患の一体的診療について、東京医療センターでの経験と欧米の先行事例が紹介された。
RPは黄斑ジストロフィなどの疾患群と原因が重なっているため、すべてを総称して遺伝性網脈絡膜疾患と呼ばれる。有効な根本治療が存在せず、その病態解明・治療導入が急務となっている。遺伝性希少疾患は次の5ステップを経て治療実装される。
1)臨床診断;
2)網羅的遺伝子診断;
3)表現型・遺伝型関連および最終確定診断;
4)臨床治験導入;
5)治療の安全性・有効性判定と評価法の確定。
評価法はさまざまであり、中心視力・視野、光干渉断層計等の古典的方法に加えて、特殊な電気生理学的検査、眼底自発蛍光の量的評価、光閾値評価(FST)などがある。評価がきちんとできないと治験は困難である。世界的に見ると、遺伝子補充治療、遺伝子編集治療、遺伝子導入治療(オプトジェネティクス)、薬物治療、再生細胞治療、人工視覚移植、経角膜電気刺激などの臨床治験が広く展開されている。「治療が皆無であった」時代から「治療を選択する」時代に移り変わるなかで、どの時期に対してどの治療を選択していくかについても、治療の特性に合わせて明らかにされつつある。すなわち病気のメカニズム、ステージ、重症度が考慮される。遺伝性網膜疾患の一体的診療体制の構築のためには、疾患概念と遺伝学的診断の理解を医療者と患者が共有することが重要である。

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