第13回網脈絡膜変性フォーラム2018 in 浜松
2018年9月23日浜松
2018年9月23日浜松
もうまく募金へご支援のお願い 3
JRPSだより 3
12月の相談予約のご案内 3
第2回ロービジョン・ブラインド川柳コンクールへご協力を 4
あぁるぴぃ広場 ~会員からの投稿~ 5
リレーエッセイ・網膜色素変性症と私[第1回](大菅 規子) 5
神戸アイセンターを見学(市川 顯) 5
世界網膜の日in愛媛 開催報告 6
「世界網膜の日in愛媛」開催のご報告(竹林 増美) 6
【編集局リポート】世界網膜の日 in 愛媛のボランティア 6
2019年の「世界網膜の日」は富山で開催(笹木 希一) 7
世界網膜の日 in 愛媛 フォトアルバム 8
研究推進委員会(Wings)通信(第17回) 9
第13回JRPS網脈絡膜変性フォーラム開催報告 10
QOL向上推進委員会(QOLC)通信 12
第2回 視覚障害者の減災・防災教室 その1 12
全国のJRPSを訪ねて 13
JRPS埼玉が設立20周年 13
都道府県JRPS活動予定 14
北海道……14 / 岩手県……14 / 宮城県……15 / 山形県……15
福島県……16 / 群馬県……15 / 栃木県……16 / 埼玉県……16
千葉県……16 / 東京都……17 / 神奈川県…17 / 長野県……17
静岡県……17 / 富山県……18 / 福井県……18 / 岐阜県……18
愛知県……19 / 三重県……19 / 滋賀県……19 / 京都府……20
奈良県……20 / 大阪府……20 / 和歌山県…20 / 兵庫県……21
岡山県……21 / 広島県……22 / 香川県……22 / 徳島県……22
愛媛県……23 / 高知県……23 / 福岡県……23 / 長崎県……24
大分県……24 / 熊本県……24 / 宮崎県……24 / 鹿児島県…25
専門部会の活動予定 25
JRPSユース…25
編集局より 26
広告ページ 26
編集後記 32
2018年9月23日、静岡県浜松市で開催されました。千葉大学の山本修一先生と浜松医科大学の堀田喜裕先生の司会で、「治療の未来を語る」を統一テーマに4人の先生方からご講演をいただきました。過去から未来に向けて治療法研究の推移を知り、現状を再認識しました。治療法研究に長年情熱を注いでこられた三宅養三先生のような方がロービジョンケアに関わってくださっていることが、とてもありがたいと感じました。(動画は「会員ページ」にあります)
1. 「網膜色素変性の自然経過」國吉 一樹(近畿大学)
網膜色素変性は症状や進行が患者により異なり、視野狭窄にもいろいろなパターンがある。ゴールドマン視野計を用い、多数の症例を長年継続して観察した。
①求心性視野狭窄:周辺から次第に視野が狭くなり、症例全体の6割~7割を占める②弓状暗点:弓状に弯曲した暗点で生理的盲点に近いと自覚しにくい③トリ型暗点:トリが羽ばたいている形④輪状暗点:求心性視野狭窄についで多く、中間がぐるりと見えない⑤中心暗点:はじめから中央が見えなくなる場合と輪状暗点が拡大して中央部が大きく潰れる場合がある。
2.「遺伝子検査の意義」東 範行(国立成育医療研究センター)
網膜色素変性では92、レーバー先天盲では20の原因遺伝子が知られている。遺伝子検査で異常が分かると次の利点がある。①病気の原因が分かる、②今後の進行をある程度予見できる、③子どもに伝わる可能性を調べられる、ただし子どもの異常を直接調べることは許されていない、④遺伝子治療に使える可能性がある。目的の細胞に広く導入する課題があるが、レーバー先天黒内障や網膜色素変性の患者を対象に正常遺伝子を入れる治療は臨床段階に入っている。遺伝子の異常部分を切り取って正常なものに置き換えるゲノム編集の臨床応用も近い。
3.「人工網膜の現状と展望」不二門 尚(大阪大学)
視覚には細かいものをしっかり見る機能と大雑把に見て目標の位置を把握する機能がある。人工網膜は後者のデバイスであり、顔やものの輪郭が分かり、白線に沿って歩けるようになる。阪大方式人工網膜は臨床研究を終了し、医師主導治験に移行しようとしている。本年度開始すべく準備中だったが、デバイスを現行の電波法の規制に適合させるため、予定より遅れる見込み。今後はテキストを読み、顔やものを認識するなど、細かい情報を補う視覚補助具とのマッチングを進める。
4.「網膜色素変性の治療を模索した50年」三宅 養三(愛知医科大学)
薬物治療、光障害の抑制、高酸素の影響、人工網膜、人工眼、視覚代行、遺伝子治療、再生医療など、網膜色素変性症を含む遺伝性網膜疾患の治療法研究の歴史をご自身の研究を交えて話された。薬物治療の効果判定には視機能が悪くなる速度の変化を証明しなければならず、治療薬開発の難しさがそこにある。日常の光が病気の進行に与える影響では、7歳から42年間片眼を遮蔽しても両眼のRPの進行に差が見られなかった。今も教科書などでよく引用される観察である。現在はネクストビジョン代表理事としてロービジョンケアに取り組んでいる
JRPS研究助成を受けられますことに大変感謝しております。これまですすめてきた網膜変性を理解し、新しい薬をつくるという研究を発展させていきたいと思います。
網膜がどのように光を受け取り伝えるのかということを研究してきました。なぜ網膜が機能できなくなってしまうのかということを考えてきました。遺伝子の変化が網膜変性を引き起こすことが知られています。遺伝子は体の設計図です。遺伝子の変化が起こることによって、眼に必要なタンパク質をつくることができなくなったり、機能しないタンパク質ができてしまうことによって病気が起こってしまうのです。自然界ではある頻度で遺伝子に変化が起こってしまいます。そのような遺伝子変化の中でタンパク質の合成を中断させてしまう変化があります。このようなタンパク質ができなくなる遺伝子変化の箇所を読み飛ばすことによりタンパク質合成を回復し、体を守る仕組みが知られています。これをリードスルーといいます。今の研究ではこの仕組みを利用し、網膜変性につながる遺伝子変化があるにも関わらず、その箇所を読み飛ばして正常なタンパク質をつくりだすことにより、網膜症の進行を防ぐことができる薬を探します。網膜症以外の病気に有効な治療薬の中から網膜症に有効な新たな薬効を見つけだすので、有効薬を見つけることができれば、いち早く網膜症治療に用いることが可能です。
将来どんな眼科医になりたいのかを考えていた頃、網膜色素変性症患者会のお手伝いをしました。そこで患者さんとそのご家族がさまざまな不安の中で、治療の可能性を探しながら、生活の工夫をされながら日々すごされていることを学びました。治療・医療をつくりたい、網膜症とともに生きる方々の証人になりたいと思いました。この研究が一日でも早く皆さまのお役に立てるように、私にできる最大限の努力をしたいと思います。
この度、JRPSライオンズ賞に選出いただました九州大学の秋山 雅人です。研究助成をいただけることとなり、会員の皆さまには心より御礼申し上げます。
網膜色素変性は、主に体の設計図である遺伝子が原因で発症する病気であるということが知られております。私はこれまでに、遺伝統計学を専門として、網膜色素変性だけでなく、緑内障や加齢黄斑変性など、さまざまな疾患の大規模な遺伝子研究を行ってまいりました。近年の遺伝子研究では、技術の進歩により、効率的かつ網羅的に塩基配列を調べることが可能となっておりますが、最新の機器を用いて遺伝子を調べても、原因が分からない患者さまが未だにたくさんいらっしゃるのが現状です。
今回採択いただいた研究で私が取り組みますのは、網膜色素変性の原因となる遺伝子配列の違いの中でも、構造変異と呼ばれる塩基配列を見つけることです。ヒトのDNAには四種類の塩基が存在し、一つの塩基の違い(一塩基置換)は現在主流の機器で容易に見つけることが可能であり、網膜色素変性の原因となるものも、これまでに多く報告されております。一方で、複数の塩基が欠失していたり、挿入されているような違い(このようなものを構造変異といいます)も遺伝病の原因となることが知られており、これらは技術的な難しさがあるため、網膜色素変性の原因であるにもかかわらず、見つかっていないものが存在することが予想されます。この課題に対して、これまでに培った遺伝統計学の知識を活用して、いくつかのアプロー チで、遺伝的原因の解明に取り組む予定です。
遺伝子研究は、患者さまのご協力があって成り立つ研究です。この文章を読んで下さっている方の中にも、遺伝子研究にご協力いただいた方もいらっしゃることと存じます。皆さまのご期待に応えることができるように、日々研究に励んでまいりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
今回は研究助成をいただきどうもありがとうございました。大変光栄に思っております。これを生かして、これまで治療法のあまりなかった分野に新しい可能性を開ければ幸いです。
ノーベル賞を受賞された山中伸弥博士が開発した人工多能性幹細胞(iPS細胞)は、移植治療だけでなく、病気の研究にも使えます。私たちの研究室ではこれまでに、網膜色素変性患者様の皮膚細胞をいただき、山中因子を導入してiPS細胞を樹立しました。そして培養皿の中で作製した網膜色素変性の視細胞を用いて病気のメカニズムを解明する「疾患iPS研究」を行いました。そして、網膜視細胞が長生きするための候補薬剤を発表しました(Yoshida, Ozawa, Okano et al. 2014)。ただし、この時得られた結果は、培養細
胞での結果でした。実際に生体に投与しても効果があるか、安全であるかは未だ明らかではありません。
そこで、今回の研究では、これを発展させて網膜色素変性モデルマウスに投与し、効果や安全性を見ています。モデルマウスはすでにアメリカから取り寄せ、これに候補の薬剤を連日投与し、網膜電図(ERG)を取ったり、網膜のタンパク質や遺伝子の動きを解析したりしています。そして、網膜の変性が、薬によって抑制されるかどうかを研究しています。
私たちは、網膜を保護し続けるために長年使える薬剤を開発することが使命と考えています。また、網膜色素変性の原因はさまざまですが、iPS研究を応用すれば、それぞれの網膜色素変性の解明も進むことでしょう。今回私たちが行っている、まず先にiPS研究で明らかにしたことを、モデル動物に応用するという研究手法は、今後の網膜色素変性の研究を大きく発展させる第一歩にもなると思い研究を進めています。
JRPS研究助成を受けられますことに大変感謝しております。これまですすめてきた網膜変性を理解し、新しい薬をつくるという研究を発展させていきたいと思います。
網膜がどのように光を受け取り伝えるのかということを研究してきました。なぜ網膜が機能できなくなってしまうのかということを考えてきました。遺伝子の変化が網膜変性を引き起こすことが知られています。遺伝子は体の設計図です。遺伝子の変化が起こることによって、眼に必要なタンパク質をつくることができなくなったり、機能しないタンパク質ができてしまうことによって病気が起こってしまうのです。自然界ではある頻度で遺伝子に変化が起こってしまいます。そのような遺伝子変化の中でタンパク質の合成を中断させてしまう変化があります。このようなタンパク質ができなくなる遺伝子変化の箇所を読み飛ばすことによりタンパク質合成を回復し、体を守る仕組みが知られています。これをリードスルーといいます。今の研究ではこの仕組みを利用し、網膜変性につながる遺伝子変化があるにも関わらず、その箇所を読み飛ばして正常なタンパク質をつくりだすことにより、網膜症の進行を防ぐことができる薬を探します。網膜症以外の病気に有効な治療薬の中から網膜症に有効な新たな薬効を見つけだすので、有効薬を見つけることができれば、いち早く網膜症治療に用いることが可能です。
将来どんな眼科医になりたいのかを考えていた頃、網膜色素変性症患者会のお手伝いをしました。そこで患者さんとそのご家族がさまざまな不安の中で、治療の可能性を探しながら、生活の工夫をされながら日々すごされていることを学びました。治療・医療をつくりたい、網膜症とともに生きる方々の証人になりたいと思いました。この研究が一日でも早く皆さまのお役に立てるように、私にできる最大限の努力をしたいと思います。
JRPSだより 3
2019年JRPSカレンダー販売のお知らせ 3
10月の相談予約のご案内 3
本部 新体制がスタート 4
2018年度の体制 4
新理事ご挨拶 4
第22回研究助成受賞者からのメッセージ 6
前田 亜希子先生(神戸アイセンター病院) 6
小沢 洋子先生(慶応義塾大学) 7
秋山 雅人先生(九州大学大学院医学研究院眼科学分野) 8
研究推進委員会(Wings)通信(第16回) 9
QOL向上推進委員会(QOLC)通信 10
第1回 ホーム上での安全歩行の留意点 ~歩行訓練の勧め 10
都道府県JRPS新会長ご挨拶 12
高野 次男(福島県網膜色素変性症協会) 12
阿部 直之(神奈川県網膜色素変性症協会) 12
田中 嘉代(滋賀県網膜色素変性症協会) 12
編集局リポート 13
福島・会津のロックンローラー 13
空手と歩む2児のママを訪ねて 14
都道府県JRPS活動予定 16
北海道……16 / 岩手県……16 / 秋田県……16 / 宮城県……16
山形県……17 / 群馬県……17 / 栃木県……17 / 埼玉県……17
千葉県……18 / 東京都……18 / 神奈川県…18 / 新潟県……19
長野県……19 / 静岡県……19 / 福井県……20 / 岐阜県……20
愛知県……20 / 三重県……20 / 滋賀県……21 / 京都府……21
奈良県……21 / 大阪府……22 / 和歌山……22 / 兵庫県……22
岡山県……23 / 広島県……23 / 香川県……23 / 徳島県……24
愛媛県……24 / 高知県……24 / 福岡県……25 / 長崎県……25
大分県……25 / 熊本県……25 / 宮崎県……26 / 鹿児島県…26
専門部会の活動予定 26
JRPSユース …26
編集局より 27
広告ページ 27
編集後記 32
JRPSではサイズの大きな添付ファイルはGiga File便を使って受け渡しを行います。
「Giga File便」とは、無料の大容量ファイル転送サービスです。
容量無制限(1ファイル100Gまで)のファイルを無料で転送できます。
※ 登録も不要です。
Giga FIle便を開きます。
ページの上の方は広告が表示されるので下の方までスクロールします。
アップロードと書かれているところで保存日数の選択ができます。
JRPSでは1週間以内にファイルをダウンロード(保存)しておりますが、念の為30日に設定してください。
上記の画像の赤枠で囲っている部分に「フォルダ」または「ファイル」をドラッグしてください。
ファイルのアップロードが始まります。
URLは申請フォームやメールでお知らせください。
こちらでURLにアクセスすることでファイルのダウンロードができます。
これまで臨床試験(臨床研究・治験)を準備しておられる先生方にインタビューし、研究の進捗情況などをお聞きしてきました。その結果をふまえ、2017年度の各地域リーダー研修会では、臨床試験参加に際して考えてほしいことをお伝えし、また会員からの要望をお聞きしました。概要を報告します。
各リーダー研修会に先立ち、「臨床試験にどう備えるか 研究推進委員会からの問いかけ」と題する資料を配付しました。多くの参加者に読んでいただきましたが、当日もあらためて次の点を強調してお伝えしました。
・臨床試験は治療ではなく、治療法確立のため、利益とリスクを
ヒトに試して調べることである。
・臨床試験参加にあたっては、試験の内容・意義をよく理解し、
期待される効果とリスクを十分検討・考慮してほしい。
・説明・同意文書は必ず納得できるまで読み、
自分の意思で参加・不参加を決めること。
・試験の途中でも、理由の如何を問わず参加を辞めることができる。
たくさんの質問、感想、要望をいただきました。主なものを挙げてみます。
①研究者インタビューは問答形式で
分かりやすくポイントを聞いてくれてありがたい。
②インタビュー記事は難しい言葉があったり、内容的にも難しい点もある。
③配布資料はよくまとまっている。今までは部分的理解だったが、
体系的に理解できた。
④資料を点字やデイジー版で配布してほしい。
⑤資料の内容をJRPSのホームページにも載せてもらいたい。
⑥毎号でなくても、研究の進捗状況を知らせてくれれば励みになる。
⑦アールテックウエノの治験に参加したが、その後どうなっているのか知りたい。
⑧どこでどんな臨床試験が計画されているのか、
またいつ始まるのか、知らせてほしい。
⑨臨床試験に参加するための条件を知りたい。
⑩治験に参加する用意あるが、どうやって参加するか分からない。
⑪臨床試験がどの程度安全かなど説明してほしい。
⑫一患者、一会員としてどのような協力ができるのかを改めて考えている。
⑬自分たちのブロックからも研究推進委員会にメンバーを送りたい。
リーダー研修会での意見交換を通じて、あらためて多くの会員が臨床試験の情報を求めていることが分かりました。研究推進委員会として一層の努力が求められていると感じました。次のようなことはすぐに取り組みたいと思います。
①臨床試験=治療と考えている会員もまだ多いことから、
正しい理解の普及に努めます。
②今回の研修会資料を一般会員の希望者に墨字またはデイジーで配布します。
ただしJRPS部内資料として取り扱ってください。窓口:本部事務局
③JRPSホームページの会員専用欄を充実し、研究の進捗などの情報を
提供します。
④本年4月の臨床研究法施行で、臨床試験実施計画の事前登録と
終了後の結果報告が国レベルで義務づけられました。
研究推進委員会としても、いち早く会員に情報を伝えます。
⑤各都道府県協会との連携を密にし、情報交換に努めます。
●研究推進委員会へのご意見、ご要望をお知らせください。窓口:本部事務局
佐々木新理事長の下、下記10名が委員として移植されました。
有松 靖温(東京:責任者)、阿部 直之(神奈川)、伊藤 節代(兵庫)、大隅 蓉子(北海道)、加納 猛彦(岐阜)、坂本 直之(熊本)、島袋 勝弥(山口)、土井 健太郎 (東京)、堀口 浩幸(神奈川)、森田 三郎(京都)
※新任の坂本委員以外は再任です。