[6月の課題]
〜点字は盲人を暗黒から解放しました〜
24年前から10年間愛読した『点字毎日』。墨字が読めなくなった私が再び文字
を獲得して、暗黒から解放してくれた『点字毎日』。創刊から今年で101年になる
そうだ。毎日新聞の「余録」を紹介しよう。
■毎日新聞「余録」 2022年5月11日
「点字は盲人を暗黒から解放しました。日本の盲人は『点字毎日』で自らの言論を
得ました」。「奇跡の人」ヘレン・ケラーさんの言葉である。1955年6月、3度目の訪
日で小紙の大阪本社にある「点字毎日」の編集長に語ったという。
ナポレオン軍の将校が考案した点字をパリの盲学校の生徒が改良し、6点式の点字
が誕生したのが約200年前。日本では20世紀初頭に公認された※。日本唯一の週刊点
字新聞である「点字毎日」が創刊されたのが1922年5月11日だった。
大正デモクラシーの時代。普選運動の一環として視覚障害者から点字投票を求める
運動が起き、「点字毎日」も後押しした。28年の第1回普通選挙で世界初の点字投票
が実施されたことはあまり知られていない歴史である。
採算性を疑問視する声もあった媒体が100年の節目を迎えられたのは読者や関係者
の支持ゆえだろう。小紙の点字版ではなく、視覚障害者を含む記者が独自取材し、ニ
ーズに応える情報発信に努めている。
最新号ではウクライナ情勢の理解のため、新潟大教授が無料配布している「触地図
」を紹介している。触ると都市や周辺地域の位置関係がわかる。ホームから落ちた人
を検知し、運転手に知らせるシステムが開発されたという記事もある。
「つまがいう だんだんつきが かけてきた わがまぶたにも げっしょくのぞう
」「ゆきつもり ゆきつもどりつ まようあさ とおりがかりに てびくひとあり」
。「点毎歌壇」の投稿作である。
※ 点字はフランスの盲人ルイ=ブライユによって、1829年に考案された。日本では
東京盲唖学校に勤務していた石川倉次が、1890年(明治23)にブライユ式を五十音式
に翻案した。1901年(明治34)の官報に「日本訓盲点字」として発表され、日本にお
ける盲人用文字と公認された。石川倉次は「日本点字の父」と称される。
それでは、例によって上記の中から出題します。
■2023年6月(No.143)
題:「毎日」 (進 選)
題:「積もる」 (禮子 選)
題:「触る」 (豊 選)
題:「だんだん」(詠込み不可) (航太郎 選)
(各題2句出し)
◎今月の締切:6月24日(土) 正午必着
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