[3月の課題]
〜世の中にたえて桜のなかりせば春の心はのどけからまし〜
世の中が騒がしくなってきた。いよいよ桜の季節の到来だ。なぜか心がそわそわ、
うきうき、わくわくしてくる。
昔の人もそうだったようだ。在原業平が詠んでいる。
●世の中にたえて桜のなかりせば春の心はのどけからまし (古今和歌集)
※世の中に桜が全くなかったら「咲いたかな」、「もう散るのかな」と思い煩う
こともなく穏やかにすごせただろうに。
また、西行はこんな歌を残している。
●願わくは花の下にて春死なんその如月の望月の頃 (山家集)
※願わくば春の満開の桜の下で死にたいものだ。それも釈迦が入滅した
とされる陰暦の2月15日の満月の頃に。(亡くなったのは2月16日)
一方で、川柳作家は桜や世の中の騒がしさに背を向けている風を装っているよう
に見える。川柳塔創始者の麻生路郎は次のように詠んでいる。
●桜かねと落ちついてゐる年になり
※世の中の桜の喧噪に無関心の風を装っているが、いくら年を重ねても日本人
なら、心はうきうき、そわそわしているのではないかと山本は想像する。それが
川柳の妙味であろう。
[桜の俳句]
花の雲鐘は上野か浅草か 松尾芭蕉
うかれける人や初瀬の山桜 松尾芭蕉
行く春や白き花見ゆ垣の隙 与謝蕪村
馬下りて高根のさくら見付たり 与謝蕪村
さくらさくらと唄はれし老木哉 小林一茶
桜花何が不足でちりいそぐ 小林一茶
木の間に白きもの皆桜哉 正岡子規
観音の大悲の桜咲きにけり 正岡子規
散る桜残る桜も散る桜 良寛
さくら咲いて、なるほど日本の春で 種田山頭火
[桜の和歌、短歌]
さくら桜そして今日見るこのさくら 三たびの春を我ら歩めり 俵 万智
花の色は移りにけりないたづらに 我が身世にふるながめせし間に 小野小町
久方の光のどけき春の日に しづ心なく花の散るらむ 紀 友則
風さそふ花よりもなほ我はまた 春の名残をいかにとやせん 浅野長矩
さざ浪や志賀の都はあれにしを 昔ながらの山ざくらかな 平 忠度
[その他]
花よりも心の散るは御殿山 (古川柳)
君は吉野の千本ざくら色香よいけどきが多い (都都逸)
それでは、例によって上記の中から出題します。
■2025年3月(No.164)
題:折句「さ・く・ら」 (進 選)
※五・七・五のそれぞれの頭に「さ」「く」「ら」を詠み込んで自由に作句してく
ださい。「さくら」を詠む必要はありません。
(例句) 酒飲んで薬も飲んで楽隠居
題:「散る」 (テツオ 選)
題:「不足」 (あかね 選)
題:「なるほど」(詠み込み不可) (航太郎 選)
(各題2句出し)
◎今月の締切:3月24日(月) 正午必着
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