[5月の課題]
〜日視連第50回記念文芸大会・川柳の部〜
昨年実施された日本視覚障害者団体連合(日視連)主催の「第50回記念全国視覚
障害者文芸大会」には、全国から短歌44人(130首)、俳句38人(112
句)、川柳44人(132句)、随想・随筆19人(19編)の応募がありました。
■川柳の部の入選者は次のとおり。 (審査員:西出楓楽 安藤紀楽 山本進)
第1位 民の声天の声とは思わぬか 京都府 仁木俊平
第2位 歳とらぬ声に重ねる妻の顔 福岡県 小森 弘
第3位 命より地球が軽いはずだった 福井県 西田健二
■進の選句と講評
第1位 民の声天の声とは思わぬか
(評) 総理殿、声なき民(サイレントマジョリティー)の声を天の声と思って耳
を傾けよ。「天の声とは思わぬか」と疑問の形を取って、その反対を強調する、いわ
ゆる「反語」を用いた巧みな句。「天声人語」(天に声あり人をして語らしむ)とは
ニュアンスを異にする。
第2位 八億の腹を満たすか食べ残し
(評) 世界の飢餓人口は約7億5千万人。11人に1人が飢えている(2024年国連報告
)。一方で、先進国では食べ残しなどの大量の食品ロス。非常にもったいない話であ
る。食品ロスをなくせば飢餓の人々の腹を満たすことができる。「八億の腹」が飢餓
を強調して効果的だ。
第3位 「ほらごらん」軽く見ていた浮動票
(評) 支持者や組織の票を固めるのに躍起になって、浮動票を軽く見ていたため
に落選の憂き目に。「ほらごらん」という話し言葉がいきいきと躍動感のある句に仕
立て上げている。カギカッコは不要。〈ほらごらん猛暑日なんか作るから/中原幸子
〉という句が
浮かぶ。
(転載については、日視連の承認を受けています。)
それでは、例によって上記の中から出題します。
■2025年5月(No.166)
題:「反対」 (進 選)
題:「傾ける」 (かずよ 選)
題:「疑問」 (弘 選)
題:「飢える」(飢餓の飢える) (航太郎 選)
(各題2句出し)
◎今月の締切:5月24日(土) 正午必着
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